消費者金融大手のプロミスが、子会社を通じて不良債権を都市銀行や地方金融機関から買い取り回収する債権回収業に力を入れている。改正貸金業法の完全施行で本業の融資が縮小する恐れがあり、新たな収益源の確立に迫られているからだ。
「お電話ありがとうございます。いま担当者におつなぎします」。消費者金融大手プロミスの子会社「アビリオ債権回収」(東京都千代田区)では、こんな丁寧な女性の声が響く。
同社は今年4月に合併して営業を開始した債権債権回収の専門会社。買い取る不良債権の9割は、カードローンや消費者金融などの小口案件が占める。抱える案件は「常時、数十万件をくだらない」(担当者)という。
債務者とは原則、電話や郵便で連絡を取り合う。脅すような言動は法律で禁じられており「じっくり債務者の話を聞いて、収支の状況を把握する」(同)。その上で、分割返済や債務圧縮の相談に応じる。
債権回収業に力を入れるのはアコムなどほかの大手も同様だ。ただ債権回収業者の数は飽和状態。1999年末時点で27社だったが右肩上がりで増えて、ここ3年は100社程度で横ばいで推移している。今後、景気が良くなり不良債権が減れば、市場のパイは縮小し、競争は激しくなる。「勝ち残るためには、得意の分野をより強化することが大切だ」(同)という。
当局の求めるコンプライアンス(法令順守)も厳しく、5、6月も2社が相次いで法務省から業務改善命令を受けた。アビリオ債権回収も「持ち出さない」「余計な印刷・コピーはしない」など7項目を職場に張り紙し、違反者は懲戒対象にするなど情報管理に神経をとがらせている。(山口暢彦)
2010/7/22 フジサンケイ ビジネスアイ より
改正貸金業法の完全施行は歓迎「ヤミ金使わず借金解決を」
NPO法人「熊本クレ・サラ被害をなくす会」は約15年前から多重債務をはじめとする相談に応じている。吉田洋一会長は、先月から年収の3分の1を超える新たな借り入れを禁じる改正貸金業法が完全施行されたことを歓迎する一方で、公的な支援などでさらなる課題があると指摘している。
被害をなくす会には年間約500件の相談がある。吉田会長は自らも相談員として多重債務者と話をしてきた。その中で返済能力がない人に無制限に金が貸されて借金漬けにされる実態を目の当たりにした。改正貸金業法完全施行は「際限ない貸し付けに歯止めをかけることになるという意味で多重債務問題の解決に向けたステップの一つとして評価したい」と話す。
法改正で消費者金融から借りれらなくなった人が違法なヤミ金業者に走るのではないかという指摘があるが「ヤミ金業者は、違法という理由で金を返してもらえないことや取り締まりの強化などで厳しい状況にある。現実的にヤミ金が増えることはないのではないか」と疑問を投げかける。「ヤミ金を利用しても結局金は返せない。借金の整理をするなど解決できる方法はいくらでもある」と注意を呼びかける。
実際に教育や医療などで緊急に金が必要になる場合もある。「現状では公的な機関から低利で借りるには返済のめどや保証人などの条件が厳しく使い勝手が悪い。1、2%程度の低利で間口を広く貸し付ける制度が必要だ」と訴える。
吉田会長は「多重債務問題の背景には社会的な貧困の問題がある」と指摘。一方で「相談者の約3割がギャンブル依存症。ヤミ金に流れる人も多く、病気として認識し対処する必要がある。重要なのは早期に相談すること」と話している。問い合わせは同会096・351・7400。【遠山和宏】
2010/7/16 毎日新聞 より
大阪府は6日、改正貸金業法の完全施行で小規模事業者や個人の借り入れができなくなる懸念があるため、改正法の規制を緩和した「小規模金融構造改革特区」を国に提案した。改正法で20%とされた上限金利を29.2%までとし、収入の3分の1までと定められた貸付限度額を独自の算定式で引き上げる。
上限金利緩和は、1年以内の短期や20万円以内の少額の貸し付けに限定。貸付限度額は、一定の条件の下で、総収入から生活費・住居費を除いた額の3.6倍まで認める。
業者には府の認証を義務づける。このほか、業者の負担で債務者相談・支援機関を設置し、自治体や専門家と連携し、生活保護への誘導や債務者へのカウンセリングなど、支援を充実させることも提唱した。
橋下徹知事は同日、府庁内で記者団に、「貸し手と借り手のバランスをとって適正な貸金取引ができる仕組みを提案したい」と話した。
2010/7/6 時事通信 より
消費者金融大手のプロミスは1日、希望退職への応募が子会社の三洋信販を含め計966人となり、募集人員の900人を上回ったと発表した。両社を合わせた今年3月末の従業員2680人の約36%に相当する。
内訳はプロミスが720人で、三洋信販は246人で、10月末までに退社するという。割り増し退職金の支払いのため、2011年3月期に約68億円の特別損失を計上する見込み。
プロミスは6月の改正貸金業法の完全施行による規制強化に向け、事業規模を縮小するため、希望退職を募集した。
2010/7/1 産経新聞 より
貸金業者への規制を強化する改正貸金業法が2010年6月18日、完全施行された。今回の完全施行では、借入総額を収入の3分の1までに制限する「総量規制」が導入されたほか、上限金利(29.2%)が15~20%に引き下げられた。
「借り過ぎ」を防ぎ、多重債務問題を解決するのが目的だが、周知が不十分で混乱が起きかねないうえ、景気への悪影響も指摘され、政府自身が「必要なら見直し」と、改正法施行当日に表明する異例の事態になっている。
■「担保のない零細企業に貸してくれるところがなくなった」
施行日に東京都港区のJR新橋駅前で通行人にティッシュを配って改正法のPRに努めた大塚耕平副内閣相(金融担当)は、記者の質問に「状況を見極め、対応すべきことがあれば迅速に対応したい」と述べ、今後の利用者の資金繰りの状況などをみて、何らかの対応を検討する可能性を示した。
自見庄三郎郵政改革・金融担当相も6月22日の会見で、「政治主導」のフォローアップチーム設置を発表。「周知徹底と影響の把握を推進する」と語り、政府を挙げて完全施行後の実態把握に取り組む考えを示した。自見担当相は「施行後すぐにフォローアップチームを作ったのは前例がない」と胸を張ったが、それだけ不安が渦巻いることを、図らずも示した格好だ。
実際、金融庁の調べでは、貸金業者の利用者約1400万人のうち、約700万人が総量規制に引っかかり、新たな借り入れができなくなるとみられている。それなのに、3月時点で総量規制を知っていたのは4割程度。また、収入のない専業主婦の借り入れには、配偶者の同意や収入証明書の提出が必要になったことから、多くの貸金業者が「手間がかかりコストに見合わない」として、既に専業主婦への貸し付けを実質的にやめている。突然借りられなくなり、生活や返済に行き詰まる人が続出する可能性がある。こうした人たちの生活再建を支援する体制は心もとない。
中小零細事業者への資金繰りへの影響は一番深刻だ。担保などが薄い個人事業主にとって、緊急のつなぎ資金を即日、無担保で貸してくれる貸金業者は生命線。だが、改正法完全施行により、個人事業主が「年収の3分の1」を超えて借りる際は、事業資金であることを証明する書類の提出が義務づけられた。
政府は激変緩和措置として、この手続きを簡素化したものの、貸金業界関係者は「上限金利が引き下げられ、手間がかかる短期のつなぎ融資ではもうけが出ない。零細事業者が借りにくくなるのは確実」と打ち明ける。ある零細建設関連業者は「きっちり遅延もなく返済してきたのに、なぜ借りられないのか」と不満をあらわにする。金利引き下げによって採算が合わなくなった貸金業者の廃業も急増。都内の個人事業主は「担保のない零細企業に貸してくれるところがなくなった。商売を広げるチャンスがなくなってしまう」と訴える。
2010/6/28 J-CASTニュース より
◇改正貸金業法が完全施行--初日は15件
改正貸金業法が完全施行されたことを受け、県司法書士会と消費者金融の被害者で作る「高知うろこの会」は19日、県司法書士会館(高知市越前町2)で、多重債務などについての電話相談会(088・823・0122)があり、15件の相談が寄せられた。
電話相談は20日(午前10時~午後4時まで)も行われる。【黄在龍】
今月18日に完全施行され、年収の3分の1を超える借り入れができなくなった。また、出資法の上限金利も20%に引き下げられ、過払い利息返還請求が相次ぐ原因となった「グレーゾーン金利」も撤廃された。
同会によると、今年2月までの県内の消費者金融利用者は約2万2000人。車や住宅ローンなどの支払いを優先し、長い間税金を滞納してしまい、給料や年金などを差し押さえられてようやく気が付く事例が多いという。
また、高知市内の60代男性は失業などで消費者金融から約100万円借りた。高金利のため、借金が一向に減らず、生活費もないため相談に来たが、債務額などを再度整理したところ、過払いが判明し、約65万円が返金された事例もあるという。
同会の岡田悟事務局長(69)は「なぜ借金を重ねてしまったのか、根本的な原因を知ることが必要。そのためにもまずは相談の電話を」と呼び掛けている。同会(088・822・2593)。
2010/6/20 毎日新聞 より
「クレジットカードのショッピング枠現金化」を売り物にする「ヤミ金」まがいの業者が増えている。ほぼ無価値のおもちゃなどを高額でカード決済し、法外な手数料を引いた残額をキャッシュバックするやり方が最近の主流。利用者は一時的に現金を手にできるが、決済額全額が借金となる。
18日に完全施行される改正貸金業法による規制強化で、借り入れできなくなる人の利用が増える恐れがある。
「『送るのはつまらない物です』とは聞いていたが、まさかこれとは」。カード現金化業者を利用した都内のIT(情報技術)関連業者の50代の男性は、そう言っておもちゃの指輪を見せた。
カード請求額は10万円、手にした現金は、手数料1万5000円を引いた8万5000円だったという。
男性が現金化業者に最初に接触したのは3年前。事業の資金繰りが苦しく、地域金融機関や消費者金融から貸し渋りにあい、当座の生活費を工面するためだった。
大手飲食チェーンと似た名称の現金化業者に接触、カード番号と有効期限を伝えたら10分後には銀行口座に振り込みがあった。
手軽さからその後も複数回利用、品物はパチンコ玉やビー玉と、ほぼ無価値の品物ばかりだった。
「1カ月先にカード会社から10万円の請求が来るのは分かっていたが、目の前の現金が欲しかった」と男性は話す。
2010/6/12 フジサンケイ ビジネスアイ より
「ヤミ金頼り」懸念も
改正貸金業法が18日、完全施行される。借り入れ総額が年収の3分の1を超える場合、新規の借り入れができなくなるため「借りすぎ防止」効果が期待される。一方で法の規制で消費者金融から金を借りられなくなった利用者がヤミ金融業者に頼る事態も懸念されている。
同法では借入総額の規制(総量規制)のほか、借り入れの際に年収を証明する書類の提示をすることや、専業主婦(主夫)は配偶者の年収を証明する書類・配偶者の同意書が求められる。
3日に九州財務局と県の共催で第1回貸金業法連絡会議が開かれ、県弁護士会やNPO法人熊本クレ・サラ被害をなくす会など約20団体が参加した。改正貸金業法の周知方法や多重債務問題の相談態勢、利用者がヤミ金に流れないようにするための方法などについて意見交換があった。今後も連絡会議を開いて対応策を協議する方針だ。
九州財務局は相談窓口の一覧も作成し「早めに相談してもらい、その人の状態に応じた窓口を紹介したい」としている。問い合わせは同局多重債務相談窓口096・351・0150。
改正貸金業法の完全施行で多重債務の問題がクローズアップされている。県内の行政や団体などの取り組みを随時掲載する。【遠山和宏】
2010/6/10 毎日新聞 より
借り過ぎや貸し過ぎによる多重債務問題の解決を目指して18日に完全施行される改正貸金業法について、企業の約5割が倒産の増加を招く懸念を抱いていることが3日、帝国データバンクの調査で分かった。
改正法は、あいまいな上限金利の撤廃に合わせ、貸金業者による貸し出し金額を借り手の収入の3分の1に制限する総量規制などが柱。
全国約2万社を対象とした調査では、法改正を「個人破産の抑制につながり、社会的にも自殺防止によい」との評価に加え、緊急の少額借り入れが困難になるため「ヤミ金融に頼らざるを得ない人が多くなる」といった副作用を指摘する声が多く、個人事業主を含めた倒産が「増加する」と回答した企業は48.6%に上った。
2010/6/4 フジサンケイ ビジネスアイ より
来月18日に改正貸金業法が完全施行される。県弁護士会は同19日、消費者問題に詳しい弁護士15人による無料の「多重債務相談会」を開く。午前10時~午後2時。
同法は、07年から段階的に施行。今回は、個人の借り入れ総額が年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁じる「総量規制」などが導入される。過剰貸し付けを防ぐ目的だが、一方で多重債務者らが資金繰りに困る可能性も指摘されている。
このため県弁護士会では、多重債務者の相談に応対。債務整理などの相談に応じるほか、社会福祉協議会による低利の生活福祉資金貸し付けや生活保護の利用など、行政の支援にもつなげたいとしている。
事前予約が必要。問い合わせは県弁護士会(087・822・3693)。【中村好見】
2010/5/29 毎日新聞 より